ECRCS Ⅲ 2025 7月23日



ECRCSⅢ-2025報告記事 みちのくの絆

 

 2025723日水曜日、場所は仙台国際センター展示棟 会議室4。今回もてんかんに携っている方々が各地より集まってくださり、ECRCSⅢ―2025が催されました。福祉の現場で日々奮闘されている皆様にとって、同業間の情報交換ができるまたとない機会です。カーレ仙台代表海野美千代様より温かなご挨拶を賜ると、会場の空気が引き締まりました。

 まずはベーテルでの2024年度一年間の報告です。データに裏打ちされた分析は説得力があり、発表されていたベーテルの動静や情報は精密でした。その上解説がとても丁寧で、ベーテルがどのような場所なのかより詳しく伝えることに成功しています。今後の課題としては、施設利用者さんの高齢化や発作の連発、転倒を伴う発作への対応があげられました。情報を共有し、現場の声を反映させながら働くことの大切さを発信できたことがこれから大きな価値をもつでしょう。

 次に社会福祉法人宮城県社会福祉協議会障害者支援施設船形の郷医療支援部部長菅原健美様よりご発表いただきました。船形の郷は東京ドーム10個分にわたる広大な敷地をもち、10代から90代と幅広い年齢層の利用者様が過ごされています。その中にはベーテルへ通院されている方もいらっしゃいます。ベーテルとの往復は数時間と、苦労のほどが伺えます。また、勤務時間を3種類設けることで200名以上の職員が柔軟に働くための配慮がなされています。加えて、日々の業務の中で食事や服薬を拒む利用者様に懸命に対応していると聞き、命に強くかかわる尊いお仕事をされているのだと教えていただきました。人間は口を通して多くのエネルギーを受け入れるので、食事と服薬は命に直結する行為です。
 菅原様は「生活支援ワーカーとともに成長する」という素晴らしいお言葉を残してくださいました。日々向上心を胸に、前を向いて働かれている姿が伝わってきました。お話の最後に「ぜひ見学にいらしてください」とおっしゃりました。菅原様の発表後、多くの質問が出され、その一つ一つに丁寧に答えられていた姿が印象的でした。

 続きましてはDr.ソガによる実情報告です。今回はてんかんだけでなく、普段なかなか議題になることのない自閉症や強度行動障害から生まれるこだわり行動についても深い議論が交わされました。こだわり行動はそのリズムが不規則であることや入院により新たなこだわりが発生することを共有することが出来ました。発作が止まっているだけでは処方は安定しないのだと目が見開かれる想いでした。自閉症とてんかんとの関連性がより明瞭になることで新たな展望が拓けてきそうです。

サポートセンターリーチェ

生活支援員  太田 健司